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都心から水上村へ。仕事と生活、人間関係すべてが変わりました

村上勝紀さん
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近隣町村出身、現在は水上村で開催されるスポーツ大会や陸上イベントの企画運営をされている村上勝紀(かつのり)さんにインタビュー。

村全体で地方創生を盛り上げるからこそ「やりがい」がある

近隣町村出身とのことですが、水上村に移住を決めた理由は?

村上さん:「きっかけは友人の誘い」

出身は水上村の近隣ですが、上京して大学に進学したので住むのも就職も最初は東京でした。4年ほど働いた後、東日本大震災をきっかけに災害救助の仕事に就きたいと思い転職をしたものの、部署の異動にともない自分の思い描いていた「やりたいこと」は別にあると感じていました。そんなときに声を掛けてくれたのが、スポーツイベントの企画運営会社で働いていた友人と水上村役場でスカイヴィレッジを担当していた高校時代の友人。彼らの誘いで水上村に興味を持ちました。

具体的にどのようなことに興味を持たれたのでしょうか?

村上さん:「水上村に大きな可能性を感じた」

地方創生という言葉に興味を持ちました。誘ってくれた友人の勤務先は、スカイヴィレッジで開催されるスポーツイベントの企画運営に携わる企業。自然が豊かでアウトドアスポーツに可能性があるのは見てわかりますし、トレイルランニングやマウンテンバイクは自治体の理解がないと開催が難しいスポーツ。水上村は村長をはじめ、村全体が協力体制だから、やりがいがあるだろうなと。僕も学生時代は陸上部に所属していたので、この仕事に魅力を感じました。

実際に水上村で働いてみて「やりがい」は感じましたか?

村上さん:「自分の代わりはいない」

都心に住み、会社員として働いていた頃は大勢の中の1人であり、どこか自分の代わりがいるような感覚がありました。でも今は「自分だからできる仕事」と自信を持って言えるところが「やりがい」に繋がっているのかなと。コース整備の協力や確認など村の方とも交流が多く、コミュニケーションを取りながらお互いの関係値を築いていくのも楽しいですね。仕事だけど自然にできる感じが心地いいです。

仕事をする上で嬉しかったことは?

村上さん:「感謝の言葉が最高のご褒美」

スカイヴィレッジの管理人という立場から村の人たちと関わる中で「スカイヴィレッジやスポーツイベントのおかげで村が賑やかになった」と感謝の言葉をいただくことが何よりも励みになります。スカイヴィレッジで開催される「マウンテンパーティー」の参加者も年々増えていて、トレランの全国誌にも取り上げてもらいました。陸上好きとしては、選手やコーチと接する機会があるのも楽しみだし、もっと盛り上げていきたいですね。

妊娠中から出産、子育てまでしっかりサポート

田舎で子育てを考えている方に向けて水上村をおすすめするポイントは?

村上さん:「困ったときの対応力が素晴らしい」

水上村で就職すると決めたとき、当時お付き合いをしていた方と入籍し、水上村で子どもが産まれました。妻は妊娠中も水上村の地域おこし協力隊として活動していましたが、周りの人がサポートしてくれたのでありがたかったです。
そして僕が何よりもすごいと感じたのが、水上村の対応の早さ。実は僕たちが移住した当時、産休制度がなかったんです。育休について水上村の総務課に相談をしたら、すぐに対応してくださり、その年から育休制度がスタート。おかげで安心して子育てができました。

子育て支援についてはいかがですか?

村上さん:「都心とは違う安心がある」

都心だと近隣に誰が住んでいるか知らないのが普通ですけど、水上村はみんな顔見知りになります。誰かが見ているので、子どもを育てるのに適した環境ですね。そして子どもに対する補助金。出産祝い金が1人目から貰えたこと、子どもの医療費が無料であるのは助かります。チャイルドシートの補助金や高校の通学費など、子どもへの補助金がしっかりしていることに驚きました。

生活水準は都心と変わらない。人との触れ合いが増えました

水上村に移住する前と後で収入や支出に変化はありましたか?

村上さん:「生活水準は変わりません」

収入は下がりましたけど生活水準は都心に住んでいた頃と変わらないです。例えば生活用品を買いに行くとき。都心に比べると不便だし、電車やバスで気軽に買い物はできないけど、車を走らせれば家から10分以内にスーパーもドラッグストアもあります。物価も都心より安上がりだし、野菜がとにかく安い。食材は近所からいただくことも多いので、実質的には生活水準が下がったと感じません。

人間関係で変化したことはありますか?

村上さん:「人と触れ合いながら仕事ができて生活ができる」

都心で仕事していた頃は仕事とプライベートを分けていましたが、水上村はその真逆で仕事相手の家族と顔見知りになります。イベントに協力してくれた方と農家民宿に集まって食事をしたり、近所の方とバーベキューをするので、僕がいなくても家族が村に溶け込める環境ができあがっています。
個人的には、オーナーが淹れてくれたコーヒーをいただきながら農家民宿で仕事をするのがお気に入り。人と触れ合いながら自由に仕事ができるので、人間関係そのものが変わりました。

移住を考えている人にアドバイスをお願いします

村上さん:「人見知りしやすい人にもおすすめ」

水上村は、どんな人にも合うと思います。妻や子どもをはじめ、他の地域から移住してきた人を快く迎えてくれるから、外部の人間でも自然に打ち解けられると思います。距離感がフレンドリーだから人見知りしやすい人にもおすすめですね。
とはいえ、知らない土地に移住をすることは誰だって不安だと思うので、お試し移住ができたらなと。田舎で子育てしたい人たちに水上村を知った上で移住を考えてもらえたらいいなと思います。